23 最終更新日 : 2023.02.16公開日 : 2021.11.12

知っておきたい！家づくりの費用の実際

注文住宅の大きな魅力は、間取りやデザインを自由に選べるところ。好みの素材や便利な設備などにもとことんこだわることができますが、やはり気になるのは費用のことですよね。

家づくりには、建物本体の建築費用以外にもさまざまな費用が発生します。広告などに記載されている金額や建築費用の目安に使われる坪単価には、この「本体以外」の費用が含まれていないことが多いため、見積もりで出た実際の総額を見てびっくり！…なんてことも。

そこで今回は、家づくりに必要な費用の内訳についてご紹介します。何に、どのくらいの費用がかかるのかをしっかり把握して、予算オーバーを防ぎましょう。

1 家づくりのおもな費用はこの3つ
2 建物本体工事費
3 付帯工事費(別途工事費)
4 諸費用
5 坪単価＝建築費ではない！
6 予算オーバーの失敗を防ぐ、棟匠の家づくり

家づくりのおもな費用はこの3つ

一般的に、家づくりにかかる費用は「建物本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」の3つに分けられます。これらを合わせた金額が家づくりにかかる「総費用」です。(※土地代は含みません)

もっとも多くの割合を占めるのはやはり建物本体費用で、総費用のおよそ7割と言われています。そして付帯工事が約2割、諸費用が約1割という内訳になるのが大まかな目安です。

ただしこの割合はあくまでも一般的な目安であり、工事内容などによって変動します。また、どの費用をどの項目に含めるかは工務店やハウスメーカーによって異なるケースもあります。

それでは、3つの費用についてくわしくご紹介しましょう。

建物本体工事費

建築材料や施工費など、建物本体を建てるためにかかる費用のこと。

工務店やハウスメーカーによって、どこまでを建物本体工事費に含むかは異なりますが、おもに次のような工事が含まれます。

仮設工事

足場の組み立てや、工事中に使用する電気や仮設トイレの設置など

基礎工事

建物の基礎をつくる工事

木工事

柱や梁など建物の構造を組み立てる工事

板金・左官・塗装工事

屋根や外壁などの組み立てや仕上げをする工事

配線・配管工事

電気の配線やコンセントの取り付け、建物内部の配管工事など

空調工事

空調設備の設置に関わる工事

設備工事

設備機器の設置に関わる工事(※設備関係は、設備本体の費用も含めて建物本体工事費に含む範囲が異なる場合があります)

付帯工事費(別途工事費)

建物本体の建設以外の工事にかかる費用のこと。おもに次のような工事が含まれます。

解体工事や地盤改良工事など必要のない場合は発生しない項目もありますが、盛り土や擁壁などの工事が発生する場合もあり、敷地条件や工事内容によって金額が大きく変わるため注意が必要です。

解体工事

建て替えの際など、建築地にある既存の建物を解体する工事。解体する建物がない場合は当然発生しない費用です

地盤調査・改良工事

家を建てられるかどうかを調査する費用で、その結果に応じて改良工事が必要となる場合があります。必要ない場合は発生しない費用です

給排水溝工事

水道管などの敷設に関わる工事

外構工事

駐車場やエクステリアなどの工事　

諸費用

➀と②を合わせたものを建築工事費と呼び、それ以外にかかる事務的な費用が諸費用です。住宅ローンの借り入れなど、多くは契約時および入居時や入居後に発生します。

登記費用

土地や建物の所在や内容、所有者の情報を登記するためにかかる費用

住宅ローン手数料

住宅ローン融資を受ける際にかかる費用

引っ越し費用

新居への引っ越しだけでなく、建て替えの場合などには仮住まいの費用も必要になります

祭事費用

地鎮祭や上棟式をおこなう場合にかかる費用

坪単価＝建築費ではない！

このように、家づくりにはさまざまな費用がかかります。それを知ったうえで注意していただきたいのが、坪単価についての考え方です。

坪単価とは、1坪(畳2枚分)あたりの建築費のことで、家づくりに必要な資金について考える際や住宅会社を比較検討する際に坪単価を目安とする方も多いようです。しかし、坪単価はあくまで➀の建物本体工事費を建物の面積で割った数字であり、敷地条件によって金額が大きく変わる付帯工事費や、諸費用は含まれていません。

また、設備機器のグレードアップなどにかかるいわゆるオプション費用も含まれていないため、坪単価×広さから出た金額だけを基準に考えていると、最終的な総額が大幅に予算オーバーしてしまう恐れがあるのです。

このため、坪単価はあくまで目安としてとらえ、家づくりにかかる「総費用」をしっかりと確認して予算設定や資金計画をおこないましょう。