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本当に快適?全館空調のメリット・デメリット

これまでこのブログでご紹介してきた暮らしやすい間取り・使いやすい設備などに加え、温熱環境も住まいの快適性に関わる重要なポイントのひとつです。

日本の住宅は、世界的に見ると夏の室温と冬の室温の差が大きいと言われています。とくに冬の室温の低さは、健康リスクにもつながるため注意が必要。ちなみに、住宅先進国と呼ばれるドイツでは、室温が19度を下回ると基本的人権を害すると言われるほど温熱環境が重視されているそうです。

せっかくマイホームを建てるのだから、暑さや寒さにストレスを感じない快適な温熱環境を実現したいもの。今回は、快適な温熱環境の住まいをつくるヒントとなる全館空調システムについてご紹介します。

全館空調導入施工実例写真

全館空調とは

その名のとおり、全館、つまり住まい全体の空調一括で管理できるシステムのこと。

各部屋にエアコンを設置するのではなく、小屋裏などに大型の空調設備を設置し、家中に張り巡らせた空気の通り道を通じて冷暖房や換気などの空調管理をおこなうイメージです。

1台で「換気・空気清浄・冷暖房」といった役割をこなし、基本的には24時間体制で住まい全体を快適な室温・湿度に調整してくれます。

「導入に相当なコストがかかる」「ぜいたく品」というイメージを持つ方も多いですが、活発な研究開発がおこなわれている分野であり、取り入れる住宅メーカーも増えていることからコストも以前より下がり、新居に導入したい住宅性能のひとつになりつつあります。

全館空調のメリット

室温のバリアフリー化が実現できる

各部屋はもちろん、玄関から廊下、トイレや脱衣室まですべての空間が快適な温熱環境に。

家中の温度差が少なくなるため、急激な温度変化によるヒートショックや屋内での熱中症リスクを大幅に軽減できます。

ヒートショックとは

冬場に暖かい部屋から、室温の低い脱衣室やトイレなどへ移動した際の急激な温度変化によって起こる現象。血圧が大きく変動することで、心筋梗塞脳梗塞など体に悪影響を及ぼす恐れがあります。

日本では湯船につかる入浴習慣もあるため血圧の変動がより大きくなり、浴室でのヒートショック発生件数は世界トップ。ヒートショックを起こさないためには、浴室や脱衣所を含めた家中すべての空間で、急激な室温差を避けることが大切です。

すっきりした空間が実現できる

各部屋にエアコンを置く必要がないので、壁や天井がすっきり広々。のびやかな空間や、生活感を見せないスタイリッシュな空間が演出できます。
また、室外機をいくつも設置しなくていいので、家の外観もすっきりと仕上がります。

間取りの自由さがぐっと広がる

各部屋でエアコンを使う場合は冷暖房効率を上げるためにドアや仕切りを設けますが、全館空調なら間仕切りがなくても冷暖房効率は変わりません。

そのため、大きな吹き抜けや開放感のある大空間LDKなど、間取りの自由度が格段に高まります。

システム1台で管理・メンテもスマートに

1棟に対して1台(※)の全館空調システムで対応できるため、各部屋のエアコンの稼働や温度設定をいちいち調整したり、フィルター掃除をしたりする手間がありません。

全館空調は基本的に24時間体制で機能するため、冬場の起床時も真夏の帰宅時も、エアコンのタイマーいらずで住まいの中はいつも快適です。(※家の大きさや構造などによって2台設置する場合もあります)

空気清浄や室内干しの機能も

全館空調システムは住まい全体の給気・排気も一括管理するため、そこに高性能フィルターを入れることで室内はいつも清潔な空気環境に保たれます。

部屋干ししても嫌なにおいがこもることがなく、花粉の多い時期や梅雨時期のお洗濯も快適です。

全館空調のデメリット

ある程度の設置コストが必要

システム本体の費用に加え、設置やダクト(空気の通り道)の配管も必要なため、各部屋にエアコンを入れる以上の初期投資がかかります。

また、月々の電気代も気になるところですが、住宅性能や間取り、地域などの条件、そして価値観によっても異なるため、一概には高い・安いと判断できません。
担当者やOB施主の声も参考に、満足度を含めたコスパで検討しましょう。

部屋ごとの温度の調整が難しい

家全体の温熱環境を一括管理するため、家族に暑がりの人・寒がりの人がいる場合など、個別で温度調整をしたいケースには向きません。

また、真夏の帰宅時に「一気に冷やしたい」などの急激な温度調整も苦手です。

空気が乾燥しやすい

冬場はとくに、家の中が乾燥しすぎる傾向があります。これは高気密・高断熱住宅全般に多い悩みです。
感覚には個人差があるため、乾燥が苦手な方は冬場の展示場で実際に体験すると良いでしょう。

また、OB施主の方々は、加湿器を置く以外にも部屋干しする、観葉植物を置くなどの方法で乾燥対策を工夫しているようです。

慣れるまでは温度設定が難しいことも

個別のルームエアコンと違い、全館空調は部屋の室温を一気に冷やす・暖めることができません。

そのため、季節の変わり目朝晩の寒暖差が厳しい日など、「ちょっと肌寒い」「なんだか蒸し暑い」といった場合、最初のうちは快適な設定温度を把握するのに手間取るケースが多いようです。

全館空調を活かすには

快適な温熱環境を実現するためには、ただ全館空調のシステムを導入すればいいだけではありません。

その機能を最大限に活かすためには、建物が高気密・高断熱であることが絶対条件。気密や断熱性能がじゅうぶんでない建物に全館空調を設置すると、より多くのエネルギーが必要となり、電気代が高額になってしまいます。

また、温熱環境も含めた快適な空間を実現するためには、「気密・断熱・換気・空調・素材」のバランスや性能が大切です。

全館空調はこんな場合にオススメ

これまでの住まいに、次に挙げるような不満や不安、ストレスを感じていませんか?
全館空調は、そんな方にとってコスト以上のメリットを与えてくれるはずです。

  • 寒暖差で体の不調が出やすい家族がいる
  • 年配の家族や小さな子どもがいる
  • 冬の朝に布団から出られない、夏の夜に寝苦さを感じる
  • キッチンの底冷えや2階の蒸し暑さなど、室内の気温差による不快感があった
  • ペットを飼っていて留守中の温度管理が必要
  • 開放的な大空間をつくりたい、各部屋のドアを締め切りたくない
全館空調導入施工実例写真:棟匠1.5階建ての家モデルハウス

冬暖かく、夏涼しい。家じゅうまるごと快適な棟匠の全館空調「Air-E」の住まい

家族の健康を願う家づくりを長年続けてきた棟匠では、家の中の温度差に早くから注目し、独自の気密・断熱構造と全館空調システムを取り入れた住まいを提供。
もちろん、ランニングコストやメンテナンスのしやすさも大切にしています。

住まい全体がまるごと快適空間になる棟匠Air-Eの住まいを、ぜひ体感してください。

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