「家事動線」の良い間取りって?知っておきたい3つのポイント
近年すっかりおなじみとなった、「時短」や「家事ラク」、「タイパ」といったフレーズ。仕事だけでなく、日常生活においてもいかに効率よく「作業」をこなすかというテーマに注目が集まっています。
共働き夫婦やワンオペ育児が避けられない家庭が増え、家事や育児に追われる世帯が年々増加していることからも、住まいの中にも効率化を取り入れていきたいものです。
そこで今回は、家事の効率化に役立つおすすめの家事動線についてご紹介します。動線の効率化は、日常生活での時間効率をアップすることにつながるため、子育て世帯だけではなく、大人世帯も必見です。
1.家事動線とは?
食事の支度や片付け、洗濯、掃除などの家事をする際、その人がどんな動きをするのかを表す線のことを家事動線と呼びます。
たとえば洗濯なら、洗濯機のある場所→ベランダなど洗濯物を干す場所→とりこんでたたむ場所→しまう場所を線でつなぐイメージです。
また、朝食の準備をしながら洗濯をするなど複数の家事を並行しておこなうケースでは、すべての動きを組み合わせた経路がひとつの家事動線となります。
一方、睡眠、食事、入浴など家族の生活経路を整理したものを「生活動線」、高齢者や病人を介護・介助するための経路を「介護・介助動線」と呼び、効率的な家事動線を設計するにはこれらの動線を考慮することも大切です。
2.家事動線を良くすることこんなメリットが
家事の効率が上がる
バスルームや脱衣所などの水まわりとキッチンなど、家事をする場所同士の距離を詰めておけば、移動距離が少なくなり家事効率が格段にアップします
家事の負担が軽減される
たとえば、ランドリールームを設置すれば「洗う」「干す」「たたむ」が一か所で完結するので洗濯物を運ぶ負担が限りなくゼロに。キッチンとダイニングテーブルを横並びにすれば、意外と大変な料理の配膳や下膳もぐっとラクになります
家族とのコミュニケーションが増える
家事動線を整えると、LDKなど家族の共有スペースと家事をする場所が自然と近くなるため家族との会話もしやすく、存在を側に感じられるように。コミュニケーションが増えると、家族がもっと仲良くなれます
3.一方でこんなデメリットも
収納スペースが減る
たとえば回遊動線は便利な反面、出入り口を複数設ける必要があるため、その分壁面収納が減ってしまうことに。また、動線ばかりを気にするあまり、収納を忘れてしまった…なんてことも。収納スペースの不足は家事や生活のしにくさに直結するため、動線と収納の優先順位を考えながらバランスよく配置するのがおすすめ
プライバシーが確保しにくい
家事動線を良くするために空間をつなげるということは、間仕切りが少ない家になるということ。様々な箇所から出入りが可能になることで個々のプライバシーが確保しずらくなり、不自由さを感じてしまう恐れも
コストが高くなる
ランドリールームや家事室を設けるために、建具が増えたり面積が大きくなったりと、コストアップにつながるケースも。また、家事をする場所が家の中のスペースを有効に使えるようレイアウトを工夫する必要があるため、設計や工事に手間や費用がかかる場合もあります
4.家事ラクが叶う! 3つのポイント
➀ 水まわりをまとめる
→コンパクトな家事動線を叶えるポイントの基本は、キッチン、洗面所、お風呂、トイレなどの水まわりを一か所にまとめること。移動距離が短くなり家事効率がアップするだけでなく、掃除がしやすくなるメリットも
②キッチン付近にパントリーを設置する
→パントリーとは、おもに食品や飲料などをストックする収納スペースのこと。キッチンで使うものは、キッチンの近くにまとめて置くことで効率アップにつながります。必要なときに必要なものをパッと取り出せ、ストックの量がひと目でわかるので管理しやすいというメリットも
YouTube shorts 「パントリー」
③家事室を設ける
→家事室とは、洗濯物をたたんだりアイロンがけをしたり、さまざまな家事ができるスペースのこと。「役立つ」という意味のユーティリティルームとも呼ばれます。
たとえば、家事室に物干しスペースを設ければその場でアイロン掛けやたたむ作業まででき、さらに家事室付近にWICや収納を設ければそのまま衣類がしまえるので効率がよりアップします。
ちなみに、全館空調の棟匠の家なら、家事室やフリースペースなどどこに室内干しスペースを設けてもカラッと乾くので洗濯動線が設計しやすくなります
YouTube shorts「家事室」
5.棟匠おすすめの間取りをご紹介
家事動線のポイントがつかめたところで、実際の間取りを見てみましょう。まずは棟匠おすすめの間取りをご紹介します。
➀ 「ふたつの回遊動線が豊かな毎日をつくる、平屋+αの1.5階建て」
<ココがポイント!>
- ランドリールーム横に大容量のWICを備えることで「洗う・干す・たたむ(+アイロンがけも可能)・しまう」といった洗濯作業のすべてが一か所で完結する家事ラクスタイルを実現
- 造作をふんだんに取り入れたダイニングキッチンは収納も充実。キッチン横には大容量のパントリーもあるので、必要なものがすぐにとれて便利。ダイニングとキッチンがつながっているので配膳や片付けもラクラク
② 「暮らしにゆとりが生まれる、地下収納のある5層構造の家」
<ココがポイント!>
- 玄関からキッチンまでの動線上に大容量のパントリーを配置した効率的な家事動線。たとえば、買い物帰りは「玄関→パントリーに収納→キッチン(冷蔵庫)に収納」の流れが自然にできるため、重たい荷物をもって何度も行き来しなくて済み体力の負担も最小に
- 回遊できるキッチンは使いやすく、キッチンの裏側に洗面室・家事室・浴室をまとめることでさらに効率アップ
6.家事動線を考えた住まいの実例
続いては、実際に棟匠で建てた住まいの実例をご紹介します。家事動線をイメージしながらご覧ください。
➀ 大人夫婦が暮らす延床約22坪の平屋
<この動線に注目!>
キッチン→洗面室→トイレ→ランドリールーム(浴室)→WIC
「大人夫婦が暮らす延床約22坪の平屋」の詳しい施工実例をご覧になる方はこちらから
② 家族が繋がる大収納がある住まい
<この動線に注目!>
キッチン→パントリー→WIC→浴室→洗面台
「家族が繋がる大収納がある住まい」の詳しい施工実例をご覧になる方はこちらから
③ 家族4人で暮らす平屋の住まい
<この動線に注目!>
キッチン→洗面室→家事室(室内干しスペース&衣類収納)→浴室
「家族4人で暮らす平屋の住まい」の詳しい施工実例をご覧になる方はこちらから
家事動線を整えた棟匠の家なら、家族の時間がもっと楽しく!
いかがでしたか?家事は毎日するものだからこそ、ちょっとの時短や効率アップでも大切にしたいもの。
家事動線の良い家は家族のコミュニケーションが深めやすいだけでなく、動線の工夫で家事にとられる時間や労力を減らすことができれば、その分家族の時間を増やせることにもつながります。
豊富な施工実績を誇る棟匠では、十人十色のライフスタイルにあわせてたくさんの家事動線を考えてきました。記事内でご紹介できなかった実例も、ぜひご覧ください。